今回のご依頼内容
- お住まい:土岐市
- メーカー・機種:INNO3D RTX3080
- 症状:表示不良
- 対応内容:グラフィックボード交換
症状の詳細
※2021年頃の事例です。
3DCAD使用時に、表示がくずれホワイトアウト、画面に変な描画が現れてフリーズ。
FANが(負荷を止めても)全開で回り続け、しばらくの間起動も出来なくなる。
調査・修理内容
当店のテスト機に取り付けて再現テストを実施しました。
ベンチマークソフトをループ設定で1時間程度負荷を掛けたところで再現しました。この時の温度が画面表示で98℃、ホットスポット温度実測値で107℃(FLIR Oneでの実測のため誤差はあると思います。)これ以上の悪化は不味いので緊急停止しました。オイルブリードが発生していたため、故障原因は経年劣化での冷却不足だと思います。付帯的な故障箇所はグラフィックメモリ、これはNvidia MODSで調べました。
メモリのリボール、リフローも考えましたが、再発は必至なので今回はお客様と話し合いの結果、別のRTX3080にリプレイスで対応です。興味が在れば再発が必至な理由はこちらから確認をしてみてください。
交換後、同じベンチマークソフトを同条件で1時間ループさせて再現テストを行いました。画面表示温度は最大86℃前後で安定し、ホットスポットも問題のない範囲。表示崩れ・フリーズ・負荷を外してもFANが回り続けるといった症状は一切再現せず、正常動作を確認してお返ししました。
RTX3080クラスの高性能ボードは3DCADやベンチマークなど高負荷時に大量の熱を発します。この熱をうまく逃がせなくなるとGPUコアやグラフィックメモリ(VRAM)が想定温度を超え、表示崩れ・ホワイトアウト・フリーズといった症状につながります。特にVRAMは熱に弱く、冷却不足の状態で高温にさらされ続けると接触不良やハンダのクラックを起こしやすく、軽負荷では問題なくても高負荷時だけ症状が出る、といった再現しにくい不具合になりがちです。今回も負荷を掛けた時だけ症状が出る典型的なパターンでした。
今回使用した工具
工具ではありませんが使用したソフトはNvidia MODS
このソフトは、グラフィックボードのメモリーテストが可能なソフトです。全容量をチェックしてエラーがある個所を教えてくれます。
掛かった費用
| 項目 | 部品代金 | 工賃・その他 |
|---|---|---|
| 出張費 | - | 3,300円 |
| RTX3080代金 | 134,800円 | - |
| VGAサポートステイ | 1,760円 | - |
| 交換費用 | - | 5,500円 |
| 合計 | 136,560円 | 8,800円 |
| 総額 | 145,360円 | |
まとめ
今回のような大きくて重量のあるボードはサポートステイ必須です。自重で歪んでしまい基板にダメージを与えることではんだにクラックが入ったり、断線を起こしてしまいますのでこの様なボードは扱いに注意が必要です。
ケース内のエアフロー確保も重要です。吸気・排気ファンの配置やホコリの蓄積、設置場所の室温によってGPUの温度は大きく変わります。高負荷の作業を日常的に行う場合は、定期的な内部清掃とエアフローの見直しをおすすめします。
この記事を書いた人
パソコン修理業界に27年携わるベテラン修理スタッフ。Windows、起動しない・画面が映らない・データが消えたといったトラブルから、パーツ交換、データ復旧まで、これまで数多くの修理実績を積み重ねてきました。最新モデルから旧型機種まで幅広い知識を持ち、「お客様にわかりやすく、安心して修理を任せていただけること」を大切にしています。日々の修理現場での経験をもとに、よくある故障の原因や対処法、パソコンを長く使うためのコツなどをわかりやすく発信しています。ちょっとした疑問やお困りごとも、お気軽にご相談ください。詳しいプロフィールはこちら(修理歴27年・実績7,981件)