グラフィックボード自己修理の手順
下準備
グラフィックボードのクーラーや接続ケーブル、その他すべてを取り外し、ボード単体にします。
本番
220℃のオーブン(間違ってもレンジでチンしないように・・・火花が出る上に確実に故障します)で90秒〜120秒焼いてしまいましょう。冗談ではありません。本気です。
本来ならば、クリーム半田・ボールハンダに適合した予熱・加熱・冷却をリフロー炉で行うべきですが、リフロー炉は高額で、購入するぐらいならパソコンパーツを購入したほうが圧倒的に安いです。また、リフローを依頼しても比較的高額(成果保証なしで2万円〜)になる為、ダメ元でオーブンやヒートガンでリペアすることが多いです。
確認
焼き終わった後は、急激な温度変化で半田にクラックが入らない様にする為、10分〜15分ぐらい掛けて基盤が冷めるのを待ちます。
最終確認
全てのFANやケーブル、ヒートシンクを元通りに組み立ててパソコンに取り付け、修理出来ているかを確認します。
オーブンで修理できる理由
BGA接続のチップが基板から剥れた状態で起動できなくなった場合は、ボールハンダを溶かして再接続すれば起動できる様になる為です。しかし、半田剥離以外にも原因がある場合がありますので、下記にて説明します。
排熱不足で、チップの半田が外れてしまったAの様な場合のみ有効です。オーブンで焼くことで、半田が解けて再接続される事で正常に戻る事があります。半田が流れてしまって他の端子に流れ込んでいるBの様な場合は、とどめを刺してしまう事がありますので、ジャンクになる覚悟が無ければ止めておきましょう。
注意点・補足
チップを接合している半田とコンデンサーに使用している半田の溶解温度が違う為、大丈夫かとは思いますが、オーブンで焼いた後は基盤裏面の半田にクラックが無い事を確かめた方が良いです。また、マザーボード等もこの方法で復活する事がありますが、プラスティックが解ける事がありますので、マザーボードはヒートガンの使用をお勧めします。
修理屋さんは使わないと思いますが、自己修理では有効です(応急的な処置ですが)。ただし、ノートパソコンのマザーボードや、メモリーはオーブンで焼いてはいけません。
両面にチップが実装されているボードはオーブンで焼くと裏側のチップの半田がクラックを起こしてしまい(自重で半田が外れる為)起動不能になります。両面実装のボードはヒートガンで炙るか、ホットプレートでじっくり焼いてやりましょう(自己責任ですが)。
最後に|応急処置と再発リスクについて
オーブンでグラフィックボードの補修を行っても、最終的には再発をして故障します。応急的な処理で一時しのぎである事を忘れないようにしてください。
オークション等でリフロー品が出回っていますが、すぐに故障すること請け合いですから、できるだけ購入しない事をお勧めします。
続いては、グラフィックボードのリフロー・リボールが再発する理由です。
この記事を書いた人
パソコン修理業界に27年携わるベテラン修理スタッフ。Windows、起動しない・画面が映らない・データが消えたといったトラブルから、パーツ交換、データ復旧まで、これまで数多くの修理実績を積み重ねてきました。最新モデルから旧型機種まで幅広い知識を持ち、「お客様にわかりやすく、安心して修理を任せていただけること」を大切にしています。日々の修理現場での経験をもとに、よくある故障の原因や対処法、パソコンを長く使うためのコツなどをわかりやすく発信しています。ちょっとした疑問やお困りごとも、お気軽にご相談ください。詳しいプロフィールはこちら(修理歴27年・実績7976件)