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SSDは前触れなく壊れる

ある日突然認識しなくなり、その時点で打つ手がほとんど残っていない。HDDとは壊れ方が違います。

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HDDには前触れがあり、SSDにはない

HDDが壊れるときは、たいてい何かしらの前触れが出ます。動作が急に重くなる、時々異音がする、コピーの途中で止まる。こうした変化に気づいた段階でご相談いただければ、まだデータを救い出せる可能性が十分にあります。

SSDは違います。前日まで何の問題もなく動いていたものが、翌朝には認識しなくなっている。これが珍しくありません。可動部品がないため異音は出ませんし、動作が重くなるといった分かりやすい兆候も出にくいのです。

「壊れる前に気づく」という対処法が、SSDでは成り立ちにくい。ここが最も重要な違いです。

SSDが壊れたときの典型的な症状

SSDの故障は、次のような形で現れます。

  • BIOSの画面にドライブが表示されない
  • 容量が0バイトと表示される、あるいは容量欄が空欄になる
  • 一度は認識されるが、数十秒ほどで消えてしまう
  • 「フォーマットされていません」という表示が出る

このうち特に誤解されやすいのが、最後の「フォーマットされていません」です。この表示が出ると、中身が消えただけでドライブ自体は生きている、と受け取られがちですが、実際には逆のことが起きている場合があります。

SSDの内部には、データが実際にどこに記録されているかを管理する情報があります。この管理情報が読み出せなくなると、SSDは自分の容量すら答えられなくなります。パソコン側からは「中身の分からない何か」に見えるため、フォーマットを促す表示が出るというわけです。

ここでフォーマットを実行してはいけません。そして、この状態で市販の復旧ソフトを使っても何も見つかりません。ソフトが動作するには、まずパソコンがドライブとして認識している必要があるからです。BIOSに表示されていない時点で、ソフトウェアでできることは残っていません。

なぜSSDはHDDより復旧が難しいのか

HDDが基板の故障で認識しなくなった場合、同じ型番の基板と交換することでデータを取り出せることがあります。データそのものは円盤に記録されているので、それを読む側の回路を直せば済むためです。

SSDでは、この手が使えません。データの記録位置を管理する情報が、そのSSDのコントローラという部品と分かちがたく結びついているためです。近年の製品では記録内容がコントローラ固有の鍵で暗号化されているものも多く、同じ型番から部品を移植しても中身を読み出せないことがほとんどです。

加えて、コントローラは基板に直接はんだ付けされた構造で、取り外しには専用の設備を要します。「部品を交換すれば中身が戻る」という発想が、SSDでは通用しません。

復旧を行う場合は、SSD内部の管理情報そのものを扱う専用の機材と手順が必要になります。当店では、この領域は対応可能な提携企業をご案内しています。

SSDでは「消したデータ」も戻りません

故障とは別に、もう一つ知っておいていただきたいことがあります。

HDDでファイルを削除しても、実際に消えるのは目次にあたる部分だけで、データ本体はしばらく残ります。誤って消したファイルを後から復元できるのは、このためです。

SSDにはTRIMという仕組みがあり、削除やフォーマットを行うと、パソコンからSSDへ「この領域はもう使わない」と通知されます。通知を受けたSSDは、実際にその領域を消去します。目次ではなく本体が消えるため、後から取り出す対象そのものが存在しません。

復旧ソフトの性能の問題ではなく、記録の仕組みによるものです。SSDで大切なファイルを削除してしまった場合、残念ながら戻せないとお考えください。

対策はバックアップしかありません

ここまでお読みいただくと、身も蓋もない結論に思えるかもしれません。しかし前触れが出ず、壊れた後の復旧も難しいとなれば、壊れる前に別の場所へ複製しておく以外に手がありません。

SSDは決して信頼性の低い部品ではありません。むしろ衝撃に強く、HDDより安心して使える場面も多くあります。ただし壊れ方が「静かで急」だという性質があり、そこに合わせた備えが必要になります。

最低限やっておきたいこと

  • 失うと困るファイルを、外付けドライブなど別の媒体へ定期的に複製する
  • クラウドと外付けドライブなど、性質の違う2か所に置く
  • 複製したファイルが実際に開けるか、時々確認する

3つ目は見落とされがちですが重要です。バックアップを取っているつもりで、いざという時に開けなかった、という例は実際にあります。

業務でお使いのパソコンについては、複製の仕組みそのものをご相談いただくこともできます。詳しくは法人のお客様へをご覧ください。

SSDが認識しなくなったら

すでに認識しなくなっている場合、まず通電を繰り返すのをやめてください。電源を入れるたびにSSDは内部の管理情報を組み立て直そうとし、その過程で状態がさらに悪化することがあります。「もう一度試せば映るかもしれない」という操作が、かえって復旧の可能性を下げてしまいます。

パソコンから取り外し、そのままの状態でご相談ください。対応の可否や、提携企業へお回しすべき状態かどうかをお伝えします。お電話での概算見積もりは無料です。

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